本人にとって良かったのかもしれない

父が逝った。それもあっけなく。がんを宣告され初期だからすぐ直るという医者の言葉をいとも簡単に信じたまま。本当はすでに手遅れだった。

医者は俺達に余命3か月と告げたが、実際1カ月しか持たないじゃないか。ただそれ程苦しむ事もなかったのは本人にとって良かったのかもしれない。享年63歳。少々早すぎはしないか。

斎場の真新しい布団に眠る。そこに担当者だという喪服の男が入ってきて、一通りのお悔やみの言葉を並べた後、紙切れを広げる。見ると死亡届だった。

「まず、こちらに故人様のお名前とご住所を」そう言ってその担当者は、ボールペンを俺の前に差し出す。

「右半分の診断書の部分は医師に書いていただきますので、左半分をお書き下さい。」と一番上の欄を示す。

急に言われても父の今の住所は知らない。病院から持ってきた荷物をひっくり返して、本人の財布を見つけ免許証を取り出した。

それを見ながら、言われるがまま住所と、届出人とやらには自分の名を書いていく。

服を鏡の前で着ては脱いでを繰り返し

ママは最近ますます楽しそうなのにゃん。ヒフミドとかいう化粧品を使って肌の調子がよくなったからかなぁ。

テニスに行く前も、いろんな服を鏡の前で着ては脱いでを繰り返し、急いで出かけていくんだけどさぁ、ちょっと肌だしすぎじゃないかなぁ?

パパが見たら何て言うかなぁ?クリームを首から腕と、足にまで塗り塗りしてるみたいだけど、これがすべすべして肉球で触ってみると、超気持ちいいんだにゃん。

私だって、女(雌)じゃなくなるように、過去に手術してもらったんだけど、やっぱり綺麗でいたいのだ。ママと同じ位すべすべの肉球になりたいの。

そう思って、この間ビンの蓋が開いた瞬間に、手を出してみたんだけど、こらっダメよ!なんて言われ、閉められちゃったのね。どうやったら、思う存分使えるのかなぁ?

ひとつだけ、思いつく方法があるんだけど。戸棚の上から落として割ってみたら、どうかなぁ?

結構手間がかかる作品だと再認識

私が住んでいる地域では今、毎朝、「タイガーアンドドラゴン」の再放送をしてるんだ。

宮藤官九郎さんが大好きだから、リアルタイムでももちろん観ていたけど、この再放送も、仕事の手を一旦休めて観るんだ。

リアルタイムんときは、おもしろいおもしろいだけで眺めてたけど、今あらためて眺めれば、あのドラマすごいよね。

手間とお金が、めちゃくちゃかかってるんじゃないかな。

だって、宮藤官九郎作品は、もともとシーン数が多いけど、「タイガーアンドドラゴン」は、現代と江戸時代のシーンがあるんだもん。

クドカン書籍で前に読んだけど、貧乏性のせいか、たくさんカット数をいれなくちゃ、もったいない気がするんだそう。

なるほど。DVDほしいね。買っちゃうかもしれません。

役に立つ事が書いてあるから重宝

いよいよ検診の診断結果が、告げられるタイミングが迫ってきた。今さらながらに緊張する。これで違ってたら若干恥ずかしいし、当たったら当たってたで大騒ぎになる。

手にする日が近いか。先生がきてスローモーションのように口を開いていくのが見える。こんなにも時間を長く感じるのは珍しく、それだけ集中してるって事だと思う。

「おめでたです」と、これでご対面決定。早る気持ちを抑えながら、もう一度確認する。妊娠してるって事ですか?はい、もうすぐ三ヶ月になりますよ。

やった、ようやく待望の第一子を授かった。結婚してはや三年が経とうとしていて、唯一の懸念材料がこれ。

先生、いつもらえるんですか?ははは、気が早いけど希望されるなら、もう
いつでも役所へ行けばくれます。

ここの自治体は申請するのに特に何かが必要になるわけじゃないから、今日このまま役所へ行き受け取り、よく読んでおくといいよ。色々役に立つ事が書いてあるから重宝するよ。

お顔の掃除をするからさ

私の顔にあるシミを、じーっと見つめる6歳子供から、ママお顔汚れているよと、真顔で言われた時は、正直ショックだった。

これはねと言い返す言葉も出ない。何とかしたいと、あれこれと試してみても、効果なし。そんな時、同じ幼稚園に通う、仲良しママから勧められたのがコレ。

コラーゲンやプラセンタなどの美容成分が入ったジェルで、シミに効くだけでなく、しっとり保湿してくれるらしい。

それに、洗顔後のお手入れは、これだけでいいそうだ。金額的にも今使っている商品と変わらない。

よし、私も試してみよう。パソコンを開き、そうそう検索。サイトはすぐに見つかった。某ランキング一位と書かれて、口コミの評判もいい。

へえ、売れているんだ。早速お取り寄せ。午前中に注文すれば、その日の出荷してくれるようだ。今度こそ、お顔の汚れを取るからね。

学生時代の成績はトップクラス

専用のスリッパがあり、こまごました小物もある。席に着くと、すぐお飲み物はいかがですか?と、キャビンアテンダントが笑顔で接してくれた。

セレブ気分を味わえるとは思ってもいなかった。よく巷で聞くエコノミー症候群、ビジネスクラスじゃあり得ないほどの居心地よさ。

こんなのになったら最悪。席の名前から病名がつくんだろうけど、実際乗るまで半信半疑。快適なビジネスクラスを使ったぜ。

セレブ気分を味わいつつ、いつしか飛行機はアメリカ本土に到着。天候も良好。空港内に入り、一番最初驚いたのが、すべて目にするものが英語だということ。

アメリカだから当然すぎる事よね。何故驚いたのかと言えば、出発前、私は主人に英語なら任せてと、きっぱり断言していたからである。

嘘をついたわけじゃありません。学生時代の成績はトップクラス、自信もそれなりに。が、しかし空港内へ入ると、まったくもって分からないのである。